木下尊惇

Takaatsu Kinoshita

はじめに ボリビア写真

 縁あり、この時代の日本に生まれながら、ボリビアの音楽と出会い、今日まで、特にこの二つの国の土地、文化、音楽や人々と、親しく過ごして来ました。

 日本にもボリビアにも、永い時間の流れがあり、森羅万象の中での人々の暮らしがあります。その暮らしを支えるための数多くの手仕事が、今も数多く実践されています。しかし、度を過ぎた利便性の追求や、飽くなき欲望の貪りが加速する、今日の社会の中で、それらの手仕事は、どんどん片隅に追いやられ、次々と失われています。

 人々の暮らしの中で生まれ、育まれて来た『音楽』は、本来手仕事とは切り離せない存在です。音楽そのものが、手仕事だといえるでしょう。

 好きな音楽に没頭し、音楽を暮らしの中心としてきた私の今の活動は、真っ当な暮らしの中に、音楽の息吹を見つけることです。自らの生活を支える日々の暮らしの中で、耳を澄ませて、音を奏でる…。それがフォルクロリスタ『民間伝承実践者』としての役割だと、私は感じています。